コデックス革命 - 巻物から冊子本へ
こんにち知られている
もっとも古い巻物形式のパピルス文書は
紀元前二九〇〇年という昔のものなのだから、
そこから冊子体形式が生まれるまでに、
つまり巻物をページごとに切って上下にかさねてゆくという
一見単純な着想が生まれるまでに、
何と三千年以上の時間がかかっている。
これは、いったいなぜなのか。
人智の進歩はそれほどまでにのろいということなのか。
たしかに、書物の素材としてのパピルスが巻物にふさわしく
他方で図書館の規模争いというつまらない理由による
ペルガモンでのパピルス輸入不能という困窮状態が、
かえつて、羊皮紙の発明という大変な創意工夫をもたらし、
その材質が冊子体を要求したというような事情もそこにあつた。
だが、《書物》という文化装置が確立する過程において
プラトンの『パイドロス』 の占める位置に触れたときに書いたように、
「文字の文化」のなかへの「声の文化」の深い浸透は
依然としてつづいていた。
ある文化習慣が持続しているとき、
そのなかで使用されている文化装置の構造は
なかなか変わらないものだという、
いつの時代にも見られる現象がここにもある。
清水 徹 著
「書物について」 その形而下学と形而上学
岩波書店 80ページより引用
私の座右の書の中でも最高の位置に
「書物について」という本がある。
2001年7月25日第一刷発行の
本の帯にかかれている言葉が
私のなかで谺となって響き続けている。
書物/本とは・・・・・・、
ほんとうに
ただものではない!
駄洒落ではなく「本物」だ。
汲めども尽きない人智の言葉が
確かな筆致で紙に刻み込まれている。
【 書物の歴史 】
書物 その起源と発達の物語
イーリン 著 玉城肇 訳 臨川書店
書物の出現 上
リュシアン・フェーヴル他 著 関根素子他 訳 ちくま学芸文庫
書物の出現 下
リュシアン・フェーヴル他 著 関根素子他 訳 ちくま学芸文庫
書物について その形而下学と形而上学
清水 徹 著 岩波書店
レイアウトの法則
佐々木正人 著 春秋社
理想の書物
ウィリアム・モリス 著 川端康雄 訳 ちくま学芸文庫
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